金華山ハイキング

金華山ハイキング

「みちのく潮風トレイルコース巡視と自然観察」
目的: みちのく潮風トレイルコースの巡視と自然観察を兼ね、金華山のハイキングを通じて、太平洋に浮かぶ島、特有の気候と樹木(巨木)を見て自然を感じることを目的とする。また、潮風トレイルの石巻地区を管轄しているビジターセンター職員が一緒に巡視を兼ねドローンによる撮影を行う。

日時: 令和4年3月8日(火)
主催: 石巻山の会
参加者:石巻山の会15名、古川どっぽの会2名、朋友会7名、南三陸ビジターセンター7名、 総勢31名

行程
 8:00 渡波イオン東店集合、出発 
 9:00 鮎川港到着後、高速船(75人乗り)で金華山に移動
       シードリーム金華山汽船KK ☎0225-44-1055
 9:30 金華山着
10:00 黄金山神社 ここから、右回り組と左回り組に分かれて周回した。
11:15 金華山山頂 大海祗神社参拝(昼食)~12:00
13:30 黄金山神社から巨木の森散策
14:00 金華山港
14:30 鮎川港着
15:30 渡波イオン東店 解散


【事前知識】 *「金華山 (宮城県) – Wikipedia」より、引用
 島全域が山であり、周囲16km最高点は445m。山頂には 二等三角点(点名「金華山」)が設置されている。平地はほとんどない。神社付近を除く大部分が国有地である。古くから信仰の島であり、1979年には南三陸金華山国定公園として指定がされ、2015年には三陸復興国立公園へ編入されたため、手つかずの自然が多く残されている。植生は、ブナ・モミ・マツなどが多い。固有種である金華芝が自生する。1980年代ごろからマツクイムシの被害が目立ち始め、島の南部では壊滅的な状態となっている。抜本的な対策が求められているが、シカやサルの保護のため薬剤散布が難しいというジレンマを抱えている。また、増えすぎたシカの食害によって若い木が育たず、世代交代が出来ず巨木は多いが、その巨木でさえ枯れたり倒木しているものも見受けられる。一部では草原化しつつあり、森林崩壊の危機が指摘されている。森林を回復させる目的で、後継樹育成のための防鹿柵(ぼうろくさく)設置や、マツクイムシに対する抵抗性を持ったマツの植樹が行われている。この地域にはニホンヒキガエルが生息していないため、ここに生息するヤマカガシはヒキガエルを捕食して得られる頸腺毒を持たない。2011年の東日本大震災による巨大地震と大津波では、金華山桟橋の港湾施設が甚大な被害を受け、黄金山神社に至る参道や島南西部の道路が一部崩落した。黄金山神社の社殿も半壊したがその後平成25年巳歳御縁年大祭に合わせ復旧した。


【観察内容】
 金華山で出会った動物は鹿、猿、鳥類でした。黄金山神社の鹿は人慣れしていて、食物を堂々とおねだりに来る。猿は警戒して鳴き声を立てていた。イヌワシに期待したがここには生息はしていない模様。石巻山の会が中心になって、年2回ほど登山道の整備をされているが、山ヒルに悩まされているとのことです。鹿からたっぷり栄養を取っているようである。植生は海岸近くにはアカマツや黒松が分布しているが、前述のように松くい虫による立ち枯れも目立つ。沢沿いにはサワグルミが生え、ケヤキ、モミ、杉の大木も点在する。高度を上げるに従いシデ、イヌブナの大木や巨木が現れた。海抜200m以上は、太平洋ブナ林帯と呼ばれると文献にあった。ここのブナは、太く短く枝を大きく広げている。
鹿の食害で芝を始め、若い樹林が育っていない。鹿の防護柵が設置されているが、所々、網が破られていた。営林署の方々のご苦労が偲ばれた。
残されているのは、棘のある(蔵王に生えるヒロハノヘビノボラズのような)植物や常緑のシキミ(有毒小木)のみであった。木の皮や根っこも鹿にかじられた跡があった。
鹿にとって食料が乏しく、若い鹿は海を渡って牡鹿半島に移動するとのこと。一緒に山ヒルを体に付けて渡るので、近年牡鹿半島にもヒルが生息するようになった。半島にある御番所公園の草地を、石巻山の会では刈り払いを実施し、草丈を短くしてヒルの繁殖を少しでも抑える努力をされているようです。
猿も300頭は生息していると数年前に聞いたが、彼らは何を食べているのか、不思議でならない。調査を継続してみたい。
 震災後修復された山頂の大海祗(オオワタツミ)神社に参拝後、見晴らしの良い場所で太平洋を一望しながら、参加者と歓談しながら昼食ができて感無量でした。
震災時に津波の引き潮で、眼下の海峡の海水が無くなったと聞いて驚嘆するばかり。全く自然の力は恐ろしい。
黄金山神社に下山後、巨木の森でモミの大木に遭遇し、大人6人が手をつなぎ、ようやく一周抱えることができた。幹回りが9m位はありそうである。次回はメージャーで計測をしたい。金華山の自然保護の観点から、巨木・奇木に“樹名板(植物名ラベル)”を設置してみてはどうだろうか?

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